インバウンドの繁忙期と閑散期。それはお客様の国や宗教にもよるが、私のお客様は主に欧米諸国からが多いため、私の場合の繁忙期と閑散期は次のようになります。
桜繁忙期の3月と4月
桜のシーズンに合わせて来日する個人客が多いだけでなく、大手旅行会社も桜を謳ったツアーを組んでお客様を送ってきます。この時期の仕事の依頼は前年の5月くらいから入ってきます。この時期はまさにガイドの取り合いという感じです。
安定繁忙期の5月~11月
欧米諸国の行楽シーズンに当たるのがこの時期です。欧米の多くの国では学校が終わるのが5月の下旬のため、サマーバケーションは6月、7月、8月の3か月に渡ります。なんと羨ましいことでしょうか。国によっては学校が始まるのが9月の中旬のことも。なのでこの6月から9月は繁忙期と言えます。またリタイアした人や子供がいないご夫婦、新婚旅行カップルなど、学校や会社のサイクルにとらわれないお客様で5月から11月まではいい具合に忙しくなります。
バカンス繁忙期の7月と8月
夏が暇だというガイドさんもいます。が、私の場合、桜の季節と並んでの繁忙期なのがこの時期です。ヨーロッパの休暇シーズンにあたるこの時期は、各ツアーの集客が多いため一つのグループがバス2台や3台にもなります。かつてはこの季節ばかりに集中してお客様を送ってくるエージェントもありました。ただ最近は日本の夏が極暑だと分かってきたのか、ずらして来日することが多いようですね。
閑散期の12月~2月、年末年始はプチ繁忙期
12月はクリスマスや年末年始の消費のため経済が加速し、忙しいのはどの国も同じですね。お客様もきっと稼ぎ時で、一生懸命働いてるのだと思います。インバウンドのお客様は少なくなりますが、これはありがたいです。ガイドも年末の大掃除などがありますので。ただし12月下旬から正月にかけては年末年始を日本で過ごすお客様でちょっとした繁忙期となります。お正月が終わり1月と2月は閑散期ですが、考えたら2月はどの業界も暇なので嘆くのではなく充電器として活用します。
閑散期こそが宝!リセット充電を!
2月が暇で助かることがあります。それは確定申告です。確定申告の締め切りは毎年3月の中旬なので2月に集中して取り組みます。結構時間がかかり、毎年ヒィヒィ言いながらどうにか仕上げますが、私は何度も「2月が暇でよかった」と思いました。
その他、春の繁忙期に向けての準備や、資料の見直し、下見や勉強会など、この時期はとても有意義に過ごすことができます。ガイドの集まりを企画したり、自分で旅行するのもこの時期がいいですね。海外も2月はシーズンオフのため、どこも空いていて、料金も安くなってることが多いです。
という感じで、仕事がない時期を楽しむくらいの気持ちがないと、通訳ガイドでやっていくのは難しいかもしれません。ある男性は「自分は妻子を養いたい。教育費にもお金がかかる。仕事がない月があるのは困る」とのことでした。そのお気持ちはよくわかります。
心配なら閑散期にアルバイトなど他の仕事をされたら?と言うと「バイト?結局は通訳ガイド一本で食べていくなんて不可能ということですよね?」とのご質問でした。いえ、それは違います。繁忙期に閑散期2月の分を稼いでしまうという考え方です。桜の繁忙期3~4月の2か月で暇な2月を含めた2~4月の3か月分を稼ぐということなのです。ただ、桜の季節は本当に忙しく、体力的にきついので2月に充電しておく、ということですね。