日本には世界とは大きく異なる価値観があり、そこが日本文化のいいところ。
島国であることにより、陸路で国境を持つ国のように異なる血族や文化、情報、商品等が入ってくるのは容易ではなかった。そのため外国人から見ると日本の文化や風習はとてもエキゾチックで、それがまだまだ残っているのは魅力だと思う。
が、たまにそれを理解できずに「馬鹿げてる」的な言い方をするお客様がいる。
🔸理解できないからって鼻で笑う?
高山の桜山八幡宮には筆塚があるので、私はいつも筆供養の話をする。日本にしかない習慣で、私はこの手の日本ならではの話が大好き。
自分の勉学や仕事の相棒だった筆に感謝の気持ちを込めて、ということなのだが大抵のお客様は理解してくださる。中には感動する人も。
が、鼻で笑った男性がいた。英語圏の人で、この人は何かと日本文化に対して懐疑的だった。いくら自分の文化にない感覚だからと言って、信じないのは自由だが、鼻で笑うのは失礼だ。
この人は何かと冷めた反応をする。おそらくいつもそんな反応をして生きてきたのだと思う。
🔸理解してくれる人もいる
そんな様子を見て、声をかけてくれるお客様もいる。
「なんだアイツ、感じ悪いな」
「気にしない方がいいわ。あの男、異文化を楽しめないタイプなんだわ」
「妻や子供ともなんとなく距離があるわね。家庭内でも嫌な奴なんだわ」
と、おじいちゃんやおばちゃんが私を慰めてくださる。
皆さま、ありがとう。その優しさが嬉しいのです(感涙!)
後のツアーでその国の添乗員に会ったのでこの話をすると、露骨に嫌な顔をして「ウチの国でその態度をする時は”くだらない”と思ってる時だ。なんて失礼な奴!何のために異国を旅行するのか」と怒ってくれた。
そして「君の説明の仕方が悪いとか思うな。そういう奴はいる。世界中どこに行ってもそんな態度なのだと思う。そいつの低能ぶりがわかるよ」と。
そう、受け入れられないのと鼻で笑うのは別問題だものね。
🔸徐々にグループ内で孤立
案の定、その男性はグループ内で孤立していった。が、本人はお構いなしだ。妻はいい人で英語圏の人ではなく、二人は国際結婚カップルだ。彼女はいつも一生懸命私の話を聞いてくれた。お子さんも感じがよく、妻の躾がいいのがわかった。
この男性はおそらく、妻の選んだバカンス先が日本で、興味もなく付いて来たのかな。
🔸この件で学んだこと
この男性の他にも、鼻で笑わないし表に出さないけど同じように思う人がいるかも知れない。が、それはその人の自由だし、私は自分のするべきことをするだけ。だが、これからはあまり感情に訴えるような説明はやめようと思う。
そしてなぜ日本にだけそのような「魂が宿る」という概念があるのかを理論的に説明してみよう。
こうやって説明内容は日々進化していく。もうこれで決まり、これで安泰、ということはない。
通訳ガイドは終わりのない、生涯かけて取り組むべき仕事なのだ。
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